周庭さん、ツイッターを再開「引き続き香港のことに注目していただければうれしいです」

 香港の民主活動家の周庭(アグネス・チョウ)さん(23)が2日夜、「ただいま戻りました」とツイッターを1か月ぶりに再開した。

 「国家安全法が施行された7月からはツイッターを控えていましたが、結局逮捕され、いろいろ考えた上で、ツイッターを再開することを決めました。難しい判断ですが、これからもよろしくお願いします」

 先月、国家安全維持法(国安法)違反容疑で逮捕され、釈放中の周さんは1日、警察からの出頭要請に応じ、聴取を受けた。聴取後、報道陣に対し、日本経済新聞に掲載された昨年8月の意見広告が容疑の「証拠」として警察側から示されたことを明かした。

 また、日経新聞香港支局が伝えたところによると、周さんは「もし日経への広告が証拠となるのならばかげている」と語ったという。

 日経新聞に掲載された意見広告は、香港の抗議デモへの国際支援を呼びかける内容だった。広告費はクラウドファンディングで集められ、周氏が所属していた政治団体「香港衆志(デモシスト、6月末に解散)」の名義で掲載された。同じ意見広告は、米ニューヨーク・タイムズ、仏ルモンド、独フランクフルター・アルゲマイネなどにも掲載された。

 周さんを逮捕した8月10日、香港警察の捜査員が日経新聞香港支局のオフィスを訪れ、裁判所の資料提出命令を執行したことがわかっている。現地紙の報道によると、警察当局は「捜索はしておらず(命令に)取材関係の資料は含まれていない」と回答しているという。一方、日経広報室は「法的な理由でコメントを差し控える」としている。

 周さんは数日前、自身のYouTubeチャンネルの生ライブで「香港警察は一体、何を捜査したのか、そして日経新聞はどういう情報を提供したのか。まだだれも、何もわからない」と不安を募らせていた。

 国安法は今年6月30日に施行された。「法の不遡及」(※法令の効力はその法の施行時以前には遡って適用されないという法体系における理念の一つ)の大原則に従えば、施行前に掲載された意見広告を理由として、国安法違反に問うことは無理がある。だが、独裁国家の恐ろしいところは「無理が通れば道理引っ込む」が杞憂ですまないことだろう。

 周さんはツイッターで「もしこれが本当に私の犯罪証拠なのであれば、去年の広告が今年施行された法律に違反するなんて、おかしいです。これから起訴されるかどうかはわからないけど、皆さんが引き続き香港のことに注目してくださればありがたいです」と呼びかけた。

 香港警察は周さんの誕生日の前日にあたる今年12月2日に、あらためて出頭を求めているという。