AKBや坂道グループの生みの親、秋元康氏が特別顧問を務めるKeyHolder(銘柄コード4712、JASDAQ上場)株は18日、前営業日比変わらずの120円で取引を終えた。午前中に一時、20円高の140円をつける場面もあったが、利益確定売りなどに押され、値を消した。前営業日はストップ高を演じたが、秋元氏が繰り出した「乃木坂」効果は1日限りだった。
秋元氏にすれば、この先最低でも株価150円、できれば200円以上にもっていきたいところだろうが、この日に限るならマーケットは甘くはなかった、ということだろう。
そもそも、時価総額200億円に満たない同社が、乃木坂利権の半分を握る「ノース・リバー社」のM&Aを滞りなく実行できるのか、資金繰りは本当に大丈夫なのだろうか。通期決算見通しで黒字予想を変えていないが、同社も親会社のJトラスト(8508)も投資家を欺いてきた“前科”があるだけに信用されていないということも影響しているのかもしれない。
親会社Jトラスト社にも一抹の不安がつきまとう。日本の金融庁の目の届かない韓国、インドネシアで金融業に乗り出しているが、お目付け役のいないところでグレーゾーンで好き勝手にやっていないのだろうか。グループ会社や役員らが海外で訴訟を起こされている事実もある(同社開示情報から)
天下のソニーグループとしては思いもかけない形で、Jトラストグループと深くかかわることになったが、どんな思いだろうか。
それはさておき、秋元さんにとってはKeyHolder社の株価に一喜一憂する日々が続く。
株価を上昇させるためには乃木坂の人気維持が絶対条件になる。6月19日夜から「乃木坂46時間TV」が行われるが、こうした大型企画を次々繰り出すだろう。また、継続が危ぶまれる握手会も絶対にやめることはないだろう。
ただし、握手会の再開はセンシティブな問題なので、欅坂46などに先陣を切らせて世論からの反発が少ないことを見極めたうえで、乃木坂の握手会が再開される、といった流れになるのではないか。
われらの欅坂は残念ながら今一番勢いがないので、秋元さん側の立場に立つとスケープゴートにしやすい存在だろう。言い換えると、秋元グループの“避雷針”にされかねない。