秋元康の憂鬱(4)

 【AKS女帝も大損か?】

 秋元康さんと関係が深い株式会社KeyHolder(銘柄コード4712)が4月1日に、またまた衝撃のプレスリリースを発表した。
 今回のタイトルは「(経過事項)新株予約権の行使の状況に関するお知らせ」。

 2016年7月5日付の「第1回新株予約権」(1株あたり130円)は強制行使条件の判定基準株価を2月28日に下回っていたが、行使期限の4月1日までにすべて執行されたことを明らかにした。

 強制執行されたのは115,000個(11,500,000株)で、総額は15億650万円。
 この、ほぼ半分にあたる約7億円は、AKSの女帝と言われる吉成夏子氏への割当分とみられる。

 親会社Jトラスト(東証2部上場、銘柄コード8508)の藤沢信義会長(50)が関東財務局に提出した書類によると、藤沢氏が所有していた新株予約権538万4600株を、2018年(平成30年)11月13日付で吉成夏子氏に譲渡したことが報告されている。

 KeyHolder株の4月1日終値は53円。吉成氏はこんなボロ株を3倍近い130円で約7億円も買わされたことになる。NGTメンバーの暴行事件がうやむやのまま幕引きされ、「天罰が下った」という声が聞こえてきそうだが、これだけの大金、どうやって工面したのだろう。

 【30億円でSKE買収】
 吉成氏へ新株予約権が譲渡された同じ日(2018年11月13日)、アイドル業界をめぐる大ニュースも発生していた。

 当時、「結成10周年」を迎えた直後のアイドルグループ「SKE48」がメンバー、スタッフごとKeyHolder社に事業譲渡することが発表されたのだ。譲渡したのは吉成氏が代表取締役を務めるAKSだった。
 
 譲渡価格は何と30億円!

 名古屋・栄を拠点に活動する「SKE48」は優良ビジネスだった。2017年11月期実績で、売上高21.5億円、営業利益3.6億円をあげていた。M&Aの専門家ではないから確かなことは言えないが、譲渡価格はやや高め、ブランド力を加味すると、まあまあ適正といったところか。

 KeyHolder社は翌年1月、事業の受け皿となる芸能プロダクション子会社として株式会社SKE(SKE社)を新設した。そしてSKE社の社長に秋元側近のひとり、赤塚善洋氏を据えた。
 ※追記  SKE社は昨年7月、株式会社ゼストに社名変更している。

 東洋経済オンラインの取材に対し、赤塚氏は「KeyHolderの親会社である金融会社Jトラストの藤澤信義社長と、“KeyStudio(KeyHolder傘下)から新しいコンテンツが生まれていくと面白い”という話をしていました。オルファス(赤塚氏が社長の会社)は乃木坂46関連の仕事を通して秋元先生や弟の伸介さんにお世話になっていたので、コンテンツを生み出す相談をしたところ、KeyHolderグループと秋元先生の関係が生まれました」と語っている。


(新宿アルタビル7階のKeyStudio)

 【天罰が下った?】
 秋元兄弟と側近の赤塚氏への新株予約権が付与されたのは、SKE譲渡の5か月前、2018年6月18日のことだ。

 “秋元効果”で株価が順調に上昇し、行使価格260円で売却したら、3人は40億円以上を労せず手にすることができたわけだ。なんのことはない、SKE売却で私腹をこやす算段だった(と言ってもいいのではないか)。

 だが、こちらにも天罰がくだった。
 新株予約権には常識外れの条件がついていた。株価が暴落し、「62円」をつけると否応なしに行使価額「125円」で買わなくていけない“罰則”付きだったことだ。

 3人は儲けてウハウハどころか、逆に、こんなボロ株(4月1日終値53円)を40億円も引き受けなければいけないのだ

 ただし、期限は2028年7月23日なのでまだ8年猶予がある。業績をあげて株価を上昇させるか、あるいは倒産に持っていくか。(倒産した場合、強制執行を免れる)

 どうする、秋元先生?

(この項つづく)