KeyHolderの組織図KeyHolderの組織図

 【親会社は“テンバガー”達成も…】
 近い将来、秋元康氏が大株主になるKeyHolder(銘柄コード4712)の親会社、Jトラスト(銘柄コード8508)のことも少しだけふれておきたい。

 現会長の藤沢信義氏が商工ローンのイッコーを買収してから事実上スタートした会社で、経営破綻寸前のボロ株、クズ企業を二束三文で買収することで、次第に事業者金融や消費者金融の世界で頭角を現していった。
 買収(一部事業譲渡)したクズ企業の中には、「腎臓や目ん玉売って金作れ」と悪辣な取り立てで社会問題となった商工ローン大手の日栄や、過払い金返還請求で経営破綻した消費者金融最大手、武富士などがある。同社のM&Aのやり口をみると、息もたえだえの血肉に群がるハイエナとそっくりである。

 株式市場では急成長が評価されていた。2011年1月4日に322円だった株価は、2013年5月13日に一時、4561円の高値をつけている。わずか2年半で“テンバガー”(株価10倍)を達成した。

 【禁断のライツ・オファリング】
 だが、その矢先、同社は投資家たちにとんでもない爆弾を投げ込んできた。
 「ライツ・オファリング」という爆弾である。投資家に保有1株につき1株を購入できる権利が与えられた。購入価格1800円だった。単純に言えば、発行株数が倍になるので、株価も半値になるのは当然。
 4000円超の株価は2000円まで急落したが、それでもほとんどの株主は「ライツ・オファリング」に応募した。たとえ現株価が半値になっても、集めた資金をつかって成長を続けてくれれば、やがては株価も元以上になるだろうと期待していたからだ。

 同社が手にした資金は1130億円にのぼった。その後、韓国、インドネシア、カンボジアなどの金融市場で銀行業に乗り出すなど新規事業を進めてきた。

 その結果はどうか。
 4月2日の株価(終値)は212円。時価総額は244億円である。

 7年前に真っ新な資金1130億円も手にしておきながら、現在の会社の価値はその5分の一しかないって、どういうことなのか?
 会社四季報をみると、同社は直近5年(2016年~2020年予想)、ずっと赤字を垂れ流している。

 藤沢会長は東大医学部卒のエリートで、朴訥な口調で語りかける。「投資家説明会」などの映像では、いかにも誠実そうだ。

(同社HPから)

 だが、やったことは投資家から金をむしり取っただけ。経営陣らは労せず1130億円もの巨額資金(返済する必要もない)を受け取り、甘い汁を吸ったのだ。

 「自己責任」。
 当時、泣いた投資家にもこう言って突き放すしかないが、今、この言葉をかみしめているのは秋元氏も同じだろう。

(この項つづく)