欅坂46から改名 笑顔の再出発を願いたい

 結局一睡もしないうちに夜が明けた。

 「改名」の可能性は5%くらいはあると思って予定稿を準備していたので、「まったくの想定外」のショックを受けたわけではなかった。

 ただ、ゆっかーの、涙の“メッセージ”に胸うたれるし、泣きはらしている1期生の虹花らメンバーの顔をみると切なくなった。ライブのラスト、「誰がその鐘を鳴らすのか?」のパフォーマンスのときに、2期生の夏鈴ちゃんがダンスしながら号泣しているように見えてハッとした。

 つらい思いをしてきたメンバーも、ファンの方々も、この先報われてほしいと切に願う。

 発表を受けて、「解散ではない」と報じたメディアもあったし、「欅坂46には幕を下ろす」が改名して再出発するとおおむね前向きに捉えられている。

 ただ私個人は、解散発表と受け止めたし、「改名」もするかどうか疑問だと思っている。

 公式サイトは「欅坂46に関しまして」とのタイトルで、8月21日配信シングルの「誰がその鐘を鳴らすのか?」が“最後の楽曲”であること、10月に開催予定の「欅坂46ラストライブ」で“活動休止”することを伝えている。
 スケジュールをきちんと出しているのはここまでなのだ。たしかに「新グループ名となり新しく生まれ変わります」とも宣言しているが、いつ、どんなメンバーで、どんなグループ名で再出発するかは「後日発表」としか言っていない。

 出す、出すと言っていた9thシングルも結局出なかった。改名→再出発も、もうすぐ、もうすぐと引き延ばしたあげく、うやむやにしてしまうかもしれない。

 エンタメ業界をめぐる経営環境は厳しい。とくに握手会という接触商法をビジネスの根幹にしてきた秋元系アイドルグループにとっては相当な試練だろう。しかも先が見通せない。東京では感染者数が一向に減らず、来年の東京五輪の中止もやがて視野に入ってきそうだ。

 こんな状況のとき、経営者なら何を考えるか。
 売り上げを伸ばすこと? いやいや、その逆だろう。経費節減、従業員のリストラ、赤字・不採算部門の切り捨て…。後向きなことばかりで楽しくはないが、「冬の時代はじっと耐えるしかない」と覚悟を決めるだろう。逆にこんな時期に、巨額の宣伝費をつぎ込んで商品を売ろうとする経営者がいたら「何、血迷ってるんだ」とバカにされるだろう。

 運営会社のSeed&Flowersには「日向坂46」と、ソロ活動に転向した欅の元エース、てち&ねるが所属している。日向坂46が上り調子とはいえ、大所帯を維持する苦労はあるだろう。

 「改名」には金がかかる。また、一からブランディングするためには、メンバーの入れ替え(オーディションも必要かもしれない)、楽曲の方向性、売り出し方などを綿密に計算していく必要があると思われる。Seed&Flowersの内情がわからないのではっきりしたことは言えないが、優先順位が高くない新グループに、どこまで経営リソースをさいて勝負に出てくれるのだろうか。

 そもそも不思議に思っていることがひとつある。「欅坂に幕」というドラマチックな状況なのに、なぜ秋元さんは新曲を提供しなかったのだろうか。「誰鐘」はファンからもフルを聴きたいと熱望されていた曲で、決して悪くはないが、既存の曲という点でサプライズに欠けた。
 同じ秋元プロデュースの「青春高校3年C組」の2ndシングル「好きです」は7月29日に発売される…。乃木坂には小室哲哉&秋元ゴールデンコンビで新曲を用意する…。それに引きかえ、欅坂には冷たくないか。

 ソニーレコードが見限っているとの声もあった。真偽はわからないが、一時休止後に秋元さんもソニーレコードも一転して新グループを積極的に推してくれると楽観的に考えていいのだろうか。

 ま、私ごときシロート、的外れなことばっかり考えているんだろうけど…。

 ゆっかーたちが笑顔で再出発できることを願いたい。それまで全力で応援していきたいと思っている。