まなか、もんちゃんまなか、もんちゃん

 計100万再生を突破した「鈴本愛佳のぶちゃらけ!」。
 2本目の動画も相変わらず「低評価」が多いが、私自身は「高評価」を押した。

 理由はふたつ。
 ひとつは、元記者的に言うと、「見出しになる“ぶちゃらけ”」がいくつかあったこと。

 もうひとつは、2本の動画を通じて考えさせられることがあったからだ。

 まず、もんちゃんが「セカンドから辞めたい気持ちがあった」とぶちゃらけたとき、「これは見出しになるな」と思った。

鈴本美愉

 「なかなか(辞める)タイミングがつかめなくて、スタッフさんも親身に聞いてくださって…」と、かなり長い間、悩んでいたらしいことを吐露した。マルタ共和国への留学の経緯に関しては「その時期、気持ちが全力で取り組めない、パフォーマンスに力が入れられない。スタッフさんと相談して“じゃあ、気持ち切り替えるために行ってみて判断してみたら”と言ってくださった」と説明した。

 秘密だったその留学が、文春砲にすっぱ抜かれ、そのまま“自主退学”みたいに卒業となったことは「すごく心残りでずっとモヤモヤしていた」と明かした。「休業発表もなく、(記事に)出ちゃって。それでファンの方をびっくりさせちゃった。パって感じで辞めちゃって申し訳ないというか。それで気持ちも沈んじゃって、無責任すぎるなとずっと思っていた。自分を責めてまた沈む。それでモヤモヤしていた」

 これが、きっと素直な気持ちなんだろうね。インスタのアカウントを消したのも、この気持ちをファンに伝えられて少しスッキリしたこともあるんじゃないだろうか。

 

 「セカンドで辞めたい」発言は“新入社員あるある”かも、と思った。学生から社会人に環境が変わり、「俺は何でもできる」という根拠のない自信が木っ端みじんに吹き飛ばされ、上司や先輩たちとの人間関係に疲れ、「こんな仕事辞めてやる!」と思ったこと、ありませんか?
 私はありましたね。虫が好かない先輩と毎日顔を合わせるたび、「この野郎!」とギラついてたし、「こんなヤツ追い抜いてから辞めてやる」と心に決めていた。でも、それから20年もいましたけどね。私が会社を辞めたのは、「起業したい」「自分の可能性にチャレンジしたい」と思ったから。(それで大失敗して海外から逃げ帰ってきたんだからひとつも偉そうなことは言えないけどね)。

 もんちゃんも、(卒業は)「セカンド」のときとは違う理由だったんじゃないかな。本人も、そこはぶちゃらけないので、詮索はしないけど。

 一方、まなかも仰天“ぶちゃらけ”発言を連発した。
 卒業の経緯を「弁解…というか、こういう気持ちでしたと言いたい」と振り返ったあと、まなかは「(卒業を)後悔している、正直」と言い出し、もんちゃんでさえ、「そうなの?マジか…」と驚きを隠せなかった。

バイオレットまなか

 さらに、まなかは「(欅坂46に)戻りたい…かな」と驚愕の告白を続けた。
「わたし、ここが一番思い出がある。だって人生変えてくれたから」

 欅坂46については、「欅だからやってこれたって話」ともんちゃんが言えば、まなかは「もっと短かったね、欅じゃなかったら」と応じた。

 今回の動画はちょうど10分。前回と比べると、6分短かかった。1日投稿が延期になったから、「炎上しそうな部分」を編集でカットしたのかもしれない。

 2度、見たが、なかなかブログを書く決心がつかなかった。
 「考えさせられる」ことが多く、思考がまとまらなかった。まだとりとめがつかないが、今、考えていることをひとまず書き留めてみたい。

 2人とも「プロ意識がなかった」と反省を口にしていた。
 成功する人、しない人。分けるのは、この「プロ意識」かもしれない。

 2人とも「わたしはアイドルに向いてなかった」と、欅時代のことを振り返っていた。
 だが、そうだろうか。アイドルに向いてない人に、こんなにもファンがつくだろうか。「自分のことって自分じゃちっともわからないんだな」と思った。

 前回の動画でショックを受け「ファンをやめます」と宣言し、去った人たちがいる。信頼を失うのは一瞬。
 そう考えると、ハッと気づかされるよね。結局のところ、ひとつ、ひとつ目の前のことを「プロ意識」をもって取り組むしかないんだって。
 そしてプロ意識をもって取り組んだのなら、結果はどうあれ「後悔」することはないんじゃないだろうか。

 イメージが大事だということも再認識させられた。
 「このくらいの年齢で、あれくらいの恋バナは普通」というコメントもあった。たしかにそうなんだろうね。でも、2人と同じ年頃の広瀬すず、橋本環奈、浜辺美波のような若い女優さんは、けっして、「ぶちゃらけ」みたいな話をしないよね。イメージ商売の方々にとって「男の影がちらつく」のはマイナスと判断しているからでしょう。

 このイメージ戦略、アイドルやタレントの世界だけじゃなく、僕らのような一般人にも大切なんじゃないかと思えた。こんな仕事をしたい、こんな“できる人”になりたい…などと目標を持つじゃないですか。

 現在の自分は同僚、上司にどんなイメージを持たれているのか。「目標」に向かって、そのままのイメージでいいのか、それとも、少しイメージを変えたほうがいいのか。
 「なんで俺のこと、認めてくれないんだ」「あいつばっかりひいきして…」とか愚痴ってる場合じゃない。サラリーマンやOLであっても、セルフプロデュースとしてイメージ戦略を考えていくべき、ということを、「ぶちゃらけ」動画から教えられた。

 また、どんな世界も「おバカじゃダメ」ってこと。もしも自分が賢くないなと悟っていたら、周りに賢い人をつけることも考えないといけない。世界一の投資家、バフェットにはマンガー、ホンダの創業者本田宗一郎には藤沢武夫という参謀がいたし、ソニーは井深大と盛田昭夫というコンビがいたから大企業に発展した。

 「ぶちゃらけ」には賢い人がついているように思えないのが、残念。

 でも2人は若い。「ぶちゃらけ」るくらい、素直な人柄なんだろうとも思う。

 かつて大相撲の名横綱、北の湖さんと新橋の居酒屋でたまたま一緒に酒を飲んだことがあった。
 「どうしたら北の湖さんみたいに強くなれますか?」と聞いたら、「素直が一番」と言っていた。

 2人とも失敗して傷ついたかもしれないけど、「プロ意識が大事」ってことも学んだ。地道にやってればチャンスはあるでしょう。

 だって人生、長いよ。