サイゼリヤサイゼリヤ

 

 14日の東京株式市場で外食チェーンのサイゼリヤ株(銘柄コード7581、東証一部)が急騰、前日比102円高(+5.45%)の1973円で引けた。投資家からは「男気上げですかね」との声が出た。

 低価格のイタリアンファミリーレストランチェーン「サイゼリヤ」を運営する同社は前日(13日)、2021年8月期の第1四半期決算を発表、最終利益が前年同期比で80.9%下回る大幅減益を明らかにした。新型コロナウイルスの感染拡大で外出自粛が広がっていることに加え、閉店時間を繰り上げ営業していることが響いた。

 連結売上高は327.96億円(前年同期比13.8%減)、最終利益は2.5億円(同80.9%減)となった。

 同社決算発表資料
 

 この決算から翌日の大幅高は予想しにくいが、前日の決算会見は数字以外のところで大きな話題を集めた。

サイゼリヤ
サイゼリヤ

 堀埜一成社長が会見で「きのう、またランチがどうのこうのと言われましてね。ふざけんなよと」と、静かな口調ながら、こみあげる怒りをぶちまけたのだ。

 前日、西村康稔経済再生相が「昼間のランチは、皆と一緒に食べてもリスクが低いということではない。昼間もできる限り、不要不急の外出自粛をお願いしたい」と述べ、瀕死の外食チェーン業界に再びダメージを与えていた。


ランチ自粛発言に サイゼリヤ社長「ふざけんな」


 同社では、自治体からの時短要請に応じているが、東京都の場合、「一日あたり6万円」の協力金の支給対象は、中小企業や個人事業主に限られ、サイゼリヤのような大手飲食チェーンには支払われないという。堀埜社長は「大手にも(補助を)広げてほしい。そうじゃないと、シャレにならないことが起こる」とも警告した。

サイゼリヤ

 

 これに対し、キャスターの小倉智昭氏(73)はMCを務めるフジテレビ「とくダネ!」で、「夜8時までに切り上げてくれと言われて、それじゃあ成り立たないから昼間の休みをとらないで、そこで何とか取り返そうと思っても、昼間もだめだって言われたら、サイゼリヤの社長が怒るのも分かります」と心情をおもいやった。実業家の堀江貴文氏もツイッターで「人間らしい暮らしがどんどん失われていく」と嘆いた。

 マーケットが開くと、投資家からは

 「心情的に応援してます。経営者のハッキリとした意思【政府、ふざけんなよ】が安心感に繋がったね」
 「社長、男気有りと見た」
 「社長は外食企業の気持ちを代弁してくれた。ありがとう」
 「社長、もっと怒れ。内閣がバカなのだ。外食産業が悪いのではない」
 「(上げ)材料はサイゼ愛かな」

 といった、堀埜社長へのエールが相次いだ。

 

 【サイゼリヤとは】イタリアンファミリーレストランチェーン「サイゼリヤ」を運営する。店舗数は1,517(国内1,089店 海外428店/2020年8月期・連結)。現会長の正垣泰彦氏が1968年に個人店として創業、1973年に法人化した。創業当初から「低価格路線」で人気を得た。1998年にジャスダック上場。2000年東証一部に市場変更。2013年に国内1000店舗を達成した。主要な客層は若年層で「サイゼ」の愛称で親しまれている。