感想…僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46(上)

「僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46」の1シーン

「僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46」の1シーン

 自分の中でひとつ「決着」がついたので映画の感想を上下2回にわたって書こうと思う。
(以下、【ネタばれあり】なので、ご注意を)

 アイドルグループ「欅坂46」の最初にして最後のドキュメンタリー映画「僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46」。

 前夜祭、初日、昨日(9日)で計4回見た。

《ナレーションもなく…消化不良だったか》

 1回目を見終わったときは「酷評」しか頭に浮かんでこなかった。期待しすぎていたのかもしれない。不世出の天才アイドル平手友梨奈を素材にどんな作品が出来上がっているのか、と。また、試写を見た他の映画監督が、不朽の名作「市民ケーン」などをたとえにあげ「見入った」と評した前宣伝にも、あおられすぎた気もした。

 「時の流れに散らばった、ガラス瓶の破片をいくつか覗いたようでした」(TAKAHIRO先生)が的確だった。破片一つひとつの裏側の真実を明かしてくれると思っていたら、アルバムのページをさーっとめくるように表面だけをなでておしまい。モヤモヤはモヤモヤのまま残ってしまった。

 たとえば、ぽんぽんが映画の終わりのほうで、「(平手に対して)全体的にメンバーとは違う思いをもっている」「こういう場では言いたくない」(※たしか、こういう趣旨の発言だった)と語った。「どういう意味?」と疑問に思ったが、映画では深入りしない。記者が記事を書くとき、必ず心がけることは読み手に「疑問を残さないこと」だ。記者の流儀からすると、この映画の作法が納得いかなかった。

 2回目以降では、高橋栄樹監督は「消化不良」を起こしたのかな、と想像した。欅坂の5年を真正面から受け止めようとしたものの、1本の映画作品に収れんさせるには、手に負えなかった。ナレーションがなかったのも、監督の消化不良をそのまま観客に丸投げしたのかな、と思えた。

 むろん、監督らしい独自の視点で、欅坂の5年を切り取ってみせることはできたのかもしれないが、そうなると賛否両論、巻き起こっただろう。欅坂ファンにも、欅坂をあまり知らない人にも楽しんでもらうためには、どうするか。商業映画としては迫力のライブ映像をつなげてつくるのが、もっとも穏当な手法だったように思う。

 事実、観客動員数も悪くないと聞いているし、映画の感想動画をYouTubeで見ても好評な声が多い。

 《監督には「ありがとう」と言おう》

 上映時間は2時間16分、かなり長い。

  •  日向坂「3年目のデビュー」1時間59分
  •  乃木坂「いつのまにか、ここにいる Documentary of 乃木坂46」2時間
  •  乃木坂「悲しみの忘れ方 Documentary of 乃木坂46」1時間59分

 こう並べると、ドキュメンタリー映画の上映時間は「2時間」以内が暗黙のルールなのかもしれない。各館の上映スケジュールにも影響するだろうし。

 それなのに「16分」も超過している。一度完成した作品に、「5年の歴史に幕」の部分を追加したから長くなったのだろうが、「2時間に収めろ」との指示に監督も抵抗してくれたんじゃないかな。「これ以上、切れません」と。ライブ映像をカットしたくない、と。

 2時間16分の長尺でずっと「欅坂46」を感じさせてくれる作品を世に出してくれたこと。一ファンとしては、監督に「ありがとう」と言うべきだな、と今は思っている。