僕たちの噓と真実僕たちの噓と真実

 ドキュメンタリー映画「僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46」の公開に合わせて主要メンバーが各種メディアのインタビューに答えている。どのメンバーのコメントも「5年の歴史に幕」「改名」という事実を前に軽く読み飛ばせない、ズシリとした“質量”を感じるが、個人的には理佐の言葉がなぜか心に残る。(単純に、推しだからかもしれないが…)

 専属モデルを務める女性ファッション誌「non-no11月号」(集英社、9月19日発売)の表紙に登場した理佐は、カバーガールインタビューの中で、欅坂46として最後の活動について次のように語っている。

 「今、目の前の景色が澄んでいる感じ」
 「変化してゆくことがとてもうれしくて、わくわくしています。大きなきっかけは、やっぱり、7月16日の配信ライブで、欅坂46からの改名を発表したこと、そしてラストシングルを披露できたことだと思います」

 2日に掲載されたぴあのインタビューでは「(メンバーの一人として)換気できてない部屋の中で空気がこもって、その中でずっと活動していたような感覚があったんですけど、配信ライブを通して空気が入れ替わったような感覚がありました」と、「黒い羊」以降、1年半もシングルを発売できない、新型コロナの影響でライブもできない状態が続いた欅坂46の苦境を振り返っていた。

 無観客配信ライブのとき、ゆっかーが「欅坂46とは前向きなお別れをします」と衝撃の発表を行い、多くのメンバーが涙を流している中、カメラに映し出された理佐の表情にハッとした。
 「こんな表情の人を初めて見た」と。しばらく、何と形容したらいいかなと考えて思いついたのは「無」だった。涙が枯れ果てるまで泣きぬれ、ついに心が空っぽになったような状態かもしれないと想像した。

 理佐本人はモデルプレスのインタビューで「私も、菅井の話を聞いている時はどちらかというと、もちろん良い意味で“無”に近いような感覚でした。悲しいとか寂しいという感情よりも、『やるしかない』という決意や前向きな気持ちの方が大きかったです」と、そのときの心境を打ち明けていた。

 欅坂46のラストライブ最終日まで、あと1か月…。