これからは王道アイドルの坂へ 「櫻坂46」デビューカウントダウンライブ

 昨夜(8日)、アイドルグループ「櫻坂46」のデビューカウントダウンライブが行われた。全国117館の映画館でライブビューイングとして上映され、3万8000人のファンが詰めかけた。


 僕もファンの一人として、欅坂46から改名しリスタートを切る26人のメンバーのパフォーマンスを目に焼き付けようと、TOHOシネマズ日本橋(東京)で、その瞬間を待った。

櫻坂46の守屋麗奈(左)と遠藤光莉
櫻坂46の守屋麗奈(左)と遠藤光莉

◆スーツ姿のファンも

 

数か月前、欅坂46のドキュメンタリー映画「僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46」も同じ場所で見た。そのときは新型コロナ感染予防徹底のため前後左右の席が空席だったが、きのうは、全席満席だった。場所柄か、年配のサラリーマンらしいスーツ姿の人が目立った。映画のときは、もっと女性客が多かったような気がした。

 感想を書こうと思う。ファンやライターさんが、すでにツイッターや記事などで「素晴らしかった」などと書いてあるので、ライブの総評としては、きっとそちらが的確なんだろう。

 いまの心境は「ああ、俺って櫻坂46ファンとして失格だな」と、自分自身に失望している。

 ライブの途中で、退屈した。新センターの森田ひかるらのパフォーマンスは期待とおり、素晴らしかった。

 それなのに…? この夜を1ファンとしてワクワクして待っていたはずなのに…?自分でも不思議だった。

 7月の初の無観客配信ライブ。てち(平手友梨奈)がいないから、なんて言わせない!といったメンバーの気迫を感じさせられ、最後の最後に「欅坂の5年の歴史に幕を閉じます」宣言で頭をかち割られるような衝撃。そして涙なしで見られなかった「誰鐘」。

 10月の2夜連続のラストライブは、一瞬たりとも見逃せないと、PCの前で張りつめていた。そして、ここでも最後に「ノバフォ」のサプライズ初披露。

 2つのライブの間にはドキュメンタリー映画があり、3度見にいき、3度とも胸が締め付けられた。

 きっと、これまでの刺激が強すぎたんだろう、と思った。きのうは、心穏やかな中のライブだったから。また、MVが秀逸すぎた。

◆王道アイドルの道へ

 あまり刺さらないな、とも感じた。が、これは当然だろう。おっさんの心に刺さるアイドルが、そもそもおかしかったのだ。

 披露された曲の中には「恋」という言葉が多かった。途中で可愛らしいセリフのある「ブルームーンキス」は表題曲でもいいじゃない? ヒットしそうな予感がした。若い男の子の心を、ギュッとわしづかみにしそうな魅力が詰まっている。

 ずいぶん回り道したけど、王道アイドルらしい道をこれからは進んでいくのかもしれない。メンバーにとっては、そのほうが幸せなんだろう。

 ライブでは1stシングル収録の7曲が披露された。総合プロデューサーの秋元康さんの作詞家として、秀逸なところは「キャッチコピー」の巧みさだろうか。

 かつて稲垣潤一に提供した「ドラマティック・レイン」からも、秋元さんの「キャッチー」な言葉を生み出す才能を感じる。

 今回で言うと、「ブルームーンキス」や「Plastic regret」。

 ただ、言葉はキャッチーだけど、中身はそれほど重くない。「余白」が多いというか。
 その余白に、どう魂を込めて表現するか、それぞれの歌い手さんの力量が問われているような気がする。

 歌割でメンバーそれぞれの声が聴こえるのは、ファンには楽しみかもしれないけど、だれか一人が、秋元さんの詩に魂を込めるような表現のほうがいいのではないか、とも曲を聴きながら感じた。(ま、音楽シロートの戯言です)

 今回、センターに立つことがなかったが、ぽん姐の表現力が頭ひとつ抜けているとも感じた。今後はギターの弾き語りや、ソロ曲も期待したい。

◆どうなの? 櫻坂の詩

 最後に、サプライズで秋元さんがこの夜のために書き下ろした「櫻坂の詩」も初披露された。メンバー数人がメッセで「大好き」と送ってきているから、書きにくいけど、聴いた瞬間は「やっつけ仕事?」と疑問に思った。

 メンバーたちに勝手なイメージを抱いている。
 10代でアイドルという戦場に放り出された。キラキラしていると思い描いた場所と違った。無数の矢で射抜かれ、傷つき、血を流した。暗闇の中、のたうち回り、あったはずの絆を見失った。まわりには屍が転がっている。それでも生きなければならない、自らに課した「使命」のため。さあ、もう一度、立ち上がろう…。

 
 「櫻坂の詩」を聴いた直後は「え、こんな、きれいごとでまとめちゃっていいの?」と怪訝に感じた。僕の中では「血と涙と慟哭」のアイドルなのだ。

 ライブは、櫻エイトのひとり、理佐が深々とお辞儀をして終わった。欅時代は別のメンバーの姿がそこにあった。「ああ、虹花はどうしてる?」が最後の感想になってしまった。

 そしてライブを観終えて思ったことを、自分に正直に書くと…。

 やっぱり、平手友梨奈が好き!

 パフォーマンスをしている、てちが見たい!!

 ゆっかー、ごめんね。

櫻坂46デビューカウントダウンライブ
櫻坂46デビューカウントダウンライブ後の集合写真