責任者でてこーい

 言っても変わらないかもしれないが、ずっ~と腑に落ちないことがある。
 
 欅坂46にとってゆっかー菅井友香はキャプテンであると同時に「スポークスパーソン 」(昔はスポークスマンと言ったが、最近はこの呼び名らしい)の役割を担っている。

 米ホワイトハウスだと報道官、日本だと官房長官、企業でいえば広報部…などになるだろうか。通常の場合は、これらの「スポークスパーソン 」がメディア対応の最前線に登場してくる。

 かつて首相官邸で官房長官番だったことがある。毎日午前、午後の定例会見と、会見後、官房長官室に移動して番記者とのオフレコ懇談、さらに月1回程度、夕食をともにしながらの完全オフレコ懇談などがあった。僕ら記者としては、こうした機会を通じて政権内部の状況を探っていた。ちょっとした一言で「解散する気なんだな?」と気づき、(スクープとまでは言えないが)他紙より早く記事を書くことができた。
 
 政権側にも、記者側にもメリットはある。記者側としては、内部に情報ソースがあることは貴重だ。政権側も情報コントロールがしやすくなる。もちろん、政権に都合のいい記事だけを書けばいいってものではないので、そこにはせめぎあいも発生する…。

 やがて閉じられようとしている欅坂46の歴史を振り返ると、憶測や根拠の薄い中傷記事で傷つけられることが多かったと思う。「スポークスパーソン」をきちっと決めて常日頃からメディア対応したほうがいいのではないだろうか。メンバーからはゆっかーでいいと思うが、スタッフからもだれか選んでほしい。

  さて本題は、そこではない。
 今回の「5年の歴史に幕」「改名」について、ゆっかーたちに発表させているが、この重要な決断を下したのは、ゆっかーたちではない。本来は、決断した責任者が発表すべき重大事項である。

 会社でたとえてみるなら、経営陣が「合併」を決断した。経営の根幹にかかわる大ニュース。当然のことながら、社長など経営トップが会見することになる。平時のニュースとは違うので、「スポークスパーソン」だけにまかせるわけにはいかない。

 今回の欅坂46のニュースは、大ニュース中の大ニュースだ。にもかかわらず、なぜ、「改名」を決断したトップが出てこないのか?
 
 会社の合併ニュースで、記者会見に社長が出てこなくて、「合併ですが、実は私もさっきまで知らなくて…」と困惑している広報部長と以下、社員たちがならんでいるようなもの。これだったら、記者から「社長、出てこい!」と怒号が飛び交うだろう。
 
 トップが会見しない。責任を取らない無責任体制に思えて仕方がない。

 欅坂46が改名し再出発することを、ゆっかーたちメンバーは「前向き」に受け止めているが、再出発すべきなのはメンバーだけではない。運営側も顔の見えるトップ、責任を明らかにする体制に、それこそ“パワーアップ”してほしいと切に願っている。