欅坂46は「解散」だったのかもしれない

 少し前の話になるが、2月27日に放送されたNHK総合「坂道テレビ~乃木と櫻と日向~Vol.3」で気になったことを2つ書き留めておきたい。

 番組には坂道3グループのメンバーが一挙出演し、新型コロナの影響で大きく様変わりしたそれぞれのグループの「2020年」を振り返った。

 ナレーションで「もっとも大きな変化があった」と紹介されたのは櫻坂46だった。この年、欅坂46の5年の歩みにピリオドをうち、10月に新生・櫻坂46としてリスタート、12月に1stシングル「Nobody’s fault」をリリースした。

 小池美波(22)、松田里奈(21)、井上梨名(20)の3人が登場し、欅坂46最後の瞬間などを話し合った。

 小池は、改名を伝えた7月の無観客配信ライブについて、久しぶりにファンの前でパフォーマンスを披露できて「わー、うれしい」という喜びと、改名を伝えなきゃいけないという「辛さ」の両面があったと振り返った。

 松田が「昔のことじゃないのに、めっちゃ前のことに感じる。まだ1年たってないのに、(欅坂46時代が)幻かな、と思っちゃうくらい」と言うと、井上は「たまにメンバー同士でも、欅のことを思い出のように、思い出なんだけど、昔のことのように語るじゃないけど、あんとき、ああだったよねって。ああ、ほんとに思い出になったんだな」と、複雑な心境をもらした。

 松田は「活動が続けば、(思い出も)現在進行形で進んでいくものだけど…」、小池は「ちょっと寂しさあるよね、そこに」。

 3人は10月のラストライブの思い出も語った。井上は「普段、泣くタイプではない。今回のライブでは涙が止まらなくて…欅坂46って自分にとって大切な存在だったんだなと、またかみしめて」と、そのときの心境を明かした。

 そして「やっぱり大好きだった欅坂46を解散するというか、少し悔しさもありながら」と本音をぶつけ、小池は「まだできるのに…」と、井上の言葉に自らの思いも重ねた。

 メンバーの口から「解散」という言葉を聞いたのは初めてだった気がした。
 いまさら「解散」か「活動休止」か、どっちでもいいかもしれないが、楽曲封印も考慮するとやはり「解散」という表現がふさわしい、と思った。そして、もし解散だったのなら、「櫻坂46」誕生までには、僕らの知らない裏側で、いくつかの苦難があったかもしれない。よく乗り越えたね、と不屈のメンバーたちにエールをおくりたい。

 ところで、もうひとつ、気になった言葉があった。

 それは、副キャプテンに就任した松田に向かって、小池が発した激励のひとこと。

 松田が「全然、自信がないけど、メンバーやファンの方が温かい言葉をかけてくれる」と言うと、小池は「完璧じゃなくていいよ」と、そっとつぶやいた。

 完璧じゃなくていい…。欅坂46のあゆみを振り返り、とても思いのこもった言葉に聞こえた。