石森虹花石森虹花

 20日夜から改名、新グループ名「櫻坂46(さくらざか・ふぉーてぃしっくす)」の話題でもちきり。

 渋谷スクランブル交差点・街頭ビジョンを使ったサプライズ発表、冠番組「欅って書けない?」内での改名CM、メディアへの情報解禁、新聞発表、菅井キャプテンのメッセージ公開、公式サイトでの発表…と立て続けのバズーカ砲連弾。
 意図したのか偶然なのかわからないが、運営サイドの物量作戦で直前の文春砲を吹っ飛ばした格好、といってもいいかもしれない。

 だから、わざわざふれないほうがいいのかな、と思いつつ、このままひっそり卒業しちゃうかもしれない虹花への思いを一言、書いておきたい。

 文春砲には、歌舞伎町の売れっ子ホストとの「1年愛」をスッパ抜かれていたが、取材に応じたホスト君の言葉を信じるなら、1年間で会ったのは「数回」、8月以降は連絡も取っていないという。

 これって恋愛?本当に交際なの? 男女で違うかもしれないけど、男なら風俗遊びってことじゃないかな、と思った。お笑い芸人だと、自分の風俗遊びをネタにして笑わせる。文春は深刻なスキャンダルみたいに報じているけど、(アイドルじゃなかったら)笑い話にできる程度のことじゃないのか。

 かつて「ショッピングの女王」で売り出した作家の中村うさぎさんが歌舞伎町のホストクラブにハマっていたときがあった(最近は交流がないのでわからないが…)。ホストクラブ通いしているところを、グラビア風の記事にしたいとお願いして、カメラマンを連れて一緒にホストクラブに行った。

 うさぎさんは、こちらの希望通り、女王様然として上から下まで高級ブランドで固めてきた。こっちは取材が終わったら用がないから、とっとと帰ってきたけど、翌朝うさぎさんから編集局に電話がかかってきた。

 「どうしてくれんのよ、キャプテン(当時、そう呼ばれていた)のせいで、1晩で200万円も使っちゃったじゃないの」とブーたれてきたので、「はいはい、(きのうの)謝礼は(新聞社の規定の)5万円ね」と軽くいなしておいた。

 芸人や作家さんと、トップアイドルを一緒にするな!と怒られるそう。たしかに、おっしゃる通り、「清く正しく美しく」というアイドルの清純イメージを損なってしまうおバカっぷり。アイドルが「ホスト遊び」なんて書かれたら超恥ずかしい。もっと、いい恋できなかったのかな…と残念。

 また、これから改名しようと前向きに頑張っているメンバーたちに迷惑をかけた罪も消せない、と思う。だから本人も「卒業」を申し出ているんだろう。

 でもね、きっとホスト君、優しかったんだろうね。人間、嘘でも優しい言葉がほしいときってあるでしょう。

 21人でつないでいた輪が切れて崖から転落してしまい、傷ついた彼女を癒したのがホスト君だったのかもしれない。ま、しょせんホストだから見せかけの優しさだっただろうけど…。

 文春砲を知った瞬間は「虹花、マジか」(土生ちゃんがかつて言っていた)なんて軽口は叩けなかった。消息不明は体調面(心身両面の)が理由か、ひょっとして何か事件に巻き込まれてないかと心配だった。

 報道後、虹花への批判、非難の声が集中している。それもわからないではない。ショックが大きかったからね。

 でも…。
 優しくて、いい娘でしょ。僕が言わなくたって、みんな知っていることだけど。

 ドキュメンタリー映画でも、黒い羊の滝行でも、いつも欅愛の深さを感じさせてくれた。生まれ変わっても「欅坂46になりたい」って何回も言っていた。以前、「3・11」追悼の彼女のブログの一文を読んだときも、なんて優しい娘なんだろうと思った。

 ダンス四天王と呼ばれ、パフォーマンスも秀逸。Nobodyの振付は後輩たち(有美子会長だったかな?)が「虹花さんを参考にしている」と言っていた。歌声も好きだった。Showroomでアカペラで歌ってくれた「黒い羊」(ふーちゃん、ぽんぽんと一緒に)には、涙が出た。

 

 彼女は僕たちに、愛や、勇気や、感動を与えてくれた。何回も。

 そこに「嘘」はない。

 僕も、恥ずかしい話だけど、現役記者のとき、“おバカ”なことして辞表書いたこともあった。まわりに迷惑をかけたこと、数限りなかった。

上司や同僚たち(そして家族も…)がそのたびに守ってくれた。

 みなさんは、おバカなことしてまわりに迷惑かけたことないですか?

 今回、運営サイドは虹花を守っているように見えないのがちょっと残念。この程度の問題なら、かばってやれなかったのかな…。スキャンダル発覚前に手を打てなかったのかなあ…。

 

 だから、僕たちは「虹花、おバカさん」と言ったあとは、守ってあげたい。

 ねえ、赦してあげようよ。
 
 石森虹花23歳…。

 若いっていいよね。「無敵」だよ。
 「七転び八起き」って言葉もある。

 待ってる…。