タレント、長濱ねる(22)の初のエッセイ連載「夕暮れの昼寝」が月刊誌「ダ・ヴィンチ」10月号(9月4日発売)でスタートした。
記念すべき初回、“第一寝”のタイトルは「長崎の銭湯にて」。
私は地元に帰ると父と必ず銭湯に行く
という一文から始まる。
「ねるちゃん、お父さんと仲いいんだ」と、同じくらいの年頃の娘に煙ったがられている自分からすると、うらやましいエピソードが明かされ、ねるの“秘密基地”だという、その銭湯で出会うあばあさまやお姉さまとのほのぼのとした交流が書き綴られていく。
見開き2ページ。活字がぎっしりの、なかなかのボリュームだが、時にクスっと笑顔にさせてくれる描写を交え、最後まで楽しく読むことができた。イマドキの子たちの「ぴえ~ん」とか「 あげみざわ」とか、おっさんには理解不能な言葉を使うこともなく、落ち着いた文体だった。
サウナでトロトロにとろけながら、ねるは「心まで柔らかくほぐれていくようだ」と書いた。僕たちは、ねるのエッセイを読んで「心まで柔らかくほぐれていくようだ」った。
さて、エッセイの中盤くらいに「救世主」という言葉が出てくる。サウナの扉から一瞬、冷気が流れこんできたとき、「体内温度が限界」まで来ていたねるは「救世主っ…」とつぶやいたという描写があるのだが、欅坂46ファンにとっては太字で目に飛び込んでくるワードではないだろうか。
ラストシングル「誰がこの鐘を鳴らすのか?」
♪愛の救世主
誰がその鐘を鳴らすのか?
「救世主」というワードをみつけた瞬間、欅坂46のことを連想した。
ねるがこのワードを使ったのは、たまたまだったのだろう。ただ、ひょっとしてかつての仲間への秘めたエールとして、このワードを選択したのではないか、と空想させてもらえたことで、より一層エッセイを楽しむことができた、
【公式サイトに掲載された長濱ねるのコメント】
嬉しくて小躍りしております。タイトルは、夕暮れ時にぐうたらする時間が心地よくとても好きで、そんな温度で自分の日常を記せたらなと思い「夕暮れの昼寝」と名づけました。書き手の方の心をこっそり覗けるような、一緒に日常を冒険できるような、そういうところにエッセイの魅力を感じています。私も気取らずありのままを綴っていきます。拙い文章ではありますが、のんびり読んでいただけると嬉しいです。