東京事変

 Youtubeの「ぱくゆうチャンネル」(登録者2万人)というのをご存知だろうか?
 僕も知ったのは1か月ほど前、「平手友梨奈」や「欅坂46」で手あたり次第動画を検索するなかで「楽曲分析」という面白いをコンテンツをアップロードしている、このチャンネルに出会った。

 動画を投稿している「ぱくゆう」さんは、フリーのシンガーソングライターで自らの楽曲の作詞・作曲のほか、仲間たちの音楽イベントの手伝いなども行っているという。

 彼が「楽曲分析」の1曲目に取り上げたのが欅坂46のデビュー曲「サイレントマジョリティー」だった。PVを見て「これヤバイ、衝撃受けた」と興奮気味に語っているが、音楽家として衝撃を受けた理由に「2つ」のことをあげている。

 (1)サビの転調…Bメロからサビに入るときに曲のキーが変わっているが、かなりトリッキーな転調になっている。それを違和感なく聞かせる仕掛けがぎっしり詰まっている。

 (2)サビのメロディー…似ている曲を聞いたことがない。まだ、こんなメロディーが残っていたのか、音楽家としてやられたなという思い。

 僕なんか、楽譜も読めないドシロートだけど、ぱくゆうさんの丁寧な解説を聞いていると、なんだか音楽がますます楽しくなってきちゃった。

 サイマジョの「楽曲分析」は相当な反響を呼んだらしく、以来、ぱくゆうさんの人気コンテンツのひとつになっている。欅坂の楽曲については、すべての表題曲を解説してくれていて「毎回、音楽的に挑戦している」と評価していた。それだけに、絶対的センター平手友梨奈の脱退の一報を受け、ぱくゆうさんは「これからの欅坂の音楽性が変わるのかどうか」と懸念していた。

 さて今回、ぱくゆうさんのことを取り上げたのは欅坂のことを書きたかったからじゃない。

 最新の投稿(2月28日)で「東京事変の大英断!相次ぐイベント、ライブの延期・中止について思うこと」を語っている。

 新型コロナの感染拡大と、政府のスポーツ・文化イベントの開催自粛要請を受け、有名ミュージシャンのコンサート、ライブ中止が相次いでいるが、椎名林檎ら5人の「東京事変」が東京国際フォーラム(ホールA)でのライブ決行を表明したことを「英断」と取り上げている。

 もちろん批判の声も渦巻いている。当然だろう。「パンデミック」になる前に瀬戸際で食い止めなければいけないのだから。

 東京事変も、そんなことは百も承知で批判覚悟の決断を下したのはなぜか?

 別件だが、「Non Stop Rabbit」(通称ノンラビ)でギターとコーラスを担当する田口達也のツイートが注目されているとして、朝日新聞デジタルに取り上げられている。

 彼らは東京・豊洲PITで行う予定だったライブの中止を決定。「中止という決断に全く悔いはありません。感染を防ぐ一策だとするならば、僕らアーティストは皆そう思っているんじゃないかと思います」と朝日の取材に答えている。

 だが、公演の経費1000万円以上は彼らの自己負担となる。「僕らの様(よう)なアーティストはこの規模のライブの中止で会社すら潰れかねない損失を受けます。音楽という仕事すら続けられなくなる可能性が中止の決断一つで出てしまうのです」と、苦しい胸のうちも吐露していた。

 椎名林檎のような超人気アーティストなら「自分のことだけ考えたら」中止でもよかったはず。あえて決行を決めた裏には、自らが批判の矢面に立つことで、ほかの(中小)アーティストを守る意味もあったのではないか、とぱくゆうさんは見ている。

 そしてこの行動でもっとも言いたいのは、「アーティストばかりに“自己責任”」と無責任に問題をほおりだした政府に「もっと本気で、真剣に感染拡大を阻止する行動をとってほしい」ということ。

 報知新聞が音楽関係者のコメントとして報じたところによると、2週間もの間イベント中止が続くと「エンターテインメント業界だけで損害は数百億円にも膨らむ」とされている。

 はたしてアーティストたちからの必死の問題提起に政府がどうこたえるのか。「パンデミック」の危機と同時に、日本の芸能・エンタメも危機に瀕している。僕たちひとりひとりにとっても他人事ではない。

 

By Captain-shige

元新聞記者。平手友梨奈さんに衝撃を覚え、欅坂46&櫻坂46を応援している。記者時代は政治、経済中心。約10年の海外暮らしを経験した。