業界最大手の芸能プロダクション「株式会社ワタナベエンターテインメント」が11日、自社のホームページに「この度の記事掲載について」と題する一文をひっそりと掲載した。ネットニュースなどのメディアもこの件に触れず、沈黙している。
同社の代表取締役社長、渡辺ミキ氏が「2020年6月11日に文春オンラインに弊社取締役に関する記事が掲載されたことについて、弊社の取引先、関係者、所属タレント・アーティストのファンの皆様をはじめ、日ごろから弊社を応援してくださっている方々にご心配やご迷惑をおかけすることとなり、誠に申し訳ございません」と謝罪したうえで、社内に設置した調査委員会が調査を開始していることを報告し「調査結果が判明次第、弊社としての正式な処分を下す考え」としている。
文春オンラインの記事は、同社の常務取締役だった大澤剛氏(47)=報道後役員解任、停職処分=のただれた“ホモセクハラ”の実態を告発する内容だった。
大澤氏は男性アイドルグループのメンバーだったA氏(20代)と性的関係をもち、約1年間にわたって、わいせつ行為を含むセクシャルハラスメントを繰り返していたとされる。
文春は被害者のA氏を直撃、A氏と既婚者でもある大澤氏の生々しいLINEのやりとりも入手した。
《約束のキスしたからね》
《バナナピクピク 触りたかった? もうAのバナナ忘れてきちゃったなぁ》
記事から引用するのも気色悪い内容の連続だが、A氏は大澤氏に気に入られることで、グループの中で優遇され、収入も倍以上に増えたと証言している。
コトは、2人のただれた肉欲関係にとどまらないと思う。芸能界には、いまだに“枕営業”のような暗部が巣くっているのではないか、タレントの実力よりも大物プロデュサーなどへの情実がまかり通っているのではないか、と疑われかねない。芸能界全体に波及するスキャンダルではないのか。
「大澤さんとLINEをしていると、たまに先輩人気アイドルの方が大澤さんに送った画像を、大澤さんが僕に転送してくることがありました。なかには水着姿を送っている人もいて……。やっぱり芸能界って、こうやって生きていくんだ、と思ったんです」
とA氏は証言。
さらに大澤氏が《ここまで俺がやりとりしてる若手は志尊と山田裕貴ぐらいだからね!》とA氏にささやいているLINEの文面もあった。
タレントもスタッフも、大澤氏の豪腕ぶりから、彼のことを「BOSS」と呼んでいた。本人もその愛称が気に入っていたようで、ツイッターのアカウントで「『BOSS』『軍曹』と呼ばれてます」と自己紹介していた。(現在、アカウントは閉鎖されている様子)
てちファンも彼の名前を目にしていた。大澤氏は映画「さんかく窓の外側は夜」の「エグゼクティブプロデューサー」も務め、あの“3兄妹動画リレー”のときも告知などをしていたと記憶している。
志尊淳×水原希子のTikTok配信ドラマ「リモートな恋」でも「企画」を担当していた。
- 出演/志尊淳、水原希子
- 監督/森ガキ侑大
- 脚本/中村涼子
- 制作/株式会社ワタナベエンターテインメント
- 企画/大澤剛(株式会社ワタナベエンターテインメント)
当ブログの「秋元康の憂鬱」で何回か取り上げたKeyHolder社(銘柄コード4712)の子会社、allfuz(オルファス)の社外取締役にも一時名前を連ねていた。秋元人脈のひとりと言っていい存在なのだ。
てちのまわりが“泳ぎたくはない 汚い川”ではないことを願うばかりだ。
さて、この話題だが、ネットニュースはいっさい触れていない。テレビは見ていないので確実なことは言えないが、同じ状況だと想像している。
同じ文春砲でも、「アンジャッシュ」渡部建(47)の不倫はこれでもか!とばかりに後追い報道するが、こちらのホモセクハラは黙殺している。
立川志らく(ワタナベエンターテインメント所属)は渡部の不倫について、MCを務める「グッとラック!」で「こんなの、お笑い芸人が女遊びしただけで、ほっとけばいいんだよ」と火消しに回ったらしい(ネットニュースによると)が、次の大澤ホモセクハラを取り上げない布石だったのか、とも勘繰りたくなった。
メディアも問題だが、タレントが声をあげないのも少し気にいらない。いまやツイッターやインスタなどで持論を発信できる時代。
政治について発言する勇気は称えたいが、自らの棲む芸能界自体にかかわる問題なら、それこそ我先にと、敢然と、声をあげるべきではないか。渡部不倫より、こっちの問題こそ発言すべきなんじゃないだろうか。