VTRを見ていた船越は「欅坂ふぉーてぃーえいと(??)の出現はほんとショッキングでした。僕らのジェネレーションだと、ニクソン大統領が“グレートサイレントマジョリティー”と演説でこの言葉を使った。その記憶からしばらくなかったのが突然、しかもアイドルの楽曲として現れてきた」と、その衝撃の大きさを語った。
「若者たちに、どのような思いを託したのか?」と船越から質問されると、秋元氏は「プロデュースするってことが、無色なものに色をつけると思っている方がいるが、無理ですよね。そうではなく、僕らは0.1を1にする。なにも持っていない子にこちらが色をつけるんじゃなくて、もともと持っているなにかを引き出す」と、アイドルをプロデュースするときの持論を語った。
そのうえで、欅坂46の初期メンバーたちの印象を次のように明かした。
「アイドルのオーディションと思えないぐらい、笑わないし、媚びないし、不思議なこたち。でも、それがいいな(と感じた)。“よろしくおねがいします、ニコニコ、こんにちは”がアイドル(のイメージ)だったのに、彼女たちは違った。この生き方、いいな」と、清楚な乃木坂46と違った魅力を感じたという。
デビュー曲「サイレントマジョリティー」を作詞するさいは、「若い人たちも、(自らの)本意ではないのに、先生や親にイエスと言ってしまう(ことがあるのではないか)、いやいや、自分の意見を言っていいんだよ、というメッセージから作り始めた」という。
大ヒット後、「パラドックス」を指摘する声も相次いだ。「大人たちに支配されるな」と彼女たちは歌うが、「それをつくったのは、その詞を書いたのは大人じゃないか」と。
秋元氏は「違うんですよね。僕が言ってるんじゃなくて、彼女たちの口から発したら、なにが一番刺さるかな、という作り方をしている。僕はこの詩を書いたとき、自分はいないんですね。それが、シンガーソングライターと違う。僕のメッセージではなくて、この人が言葉を発したときに何が一番刺さるか、という作り方をしている」と解説した。