羽田さんとは親しいわけじゃなかったけど、記憶に残っている人だった。
ずいぶん前の話だけど、羽田さんはおやじさん(羽田孜元首相)の秘書をしていた。
僕は政治記者としてほぼ毎日、「廊下トンビ」していた。何かニュースがないか、親しい国会議員の部屋を訪ね歩いていた…というより、じっさいは秘書さんたちと無駄話していただけかもしれない。
よく行く先が、新進党(当時)の池坊保子先生の部屋だった。ここには“美人秘書”のほまれも高い美佳さんがいたので、用もないのに若手の秘書さんたちが(多分美佳さん目当てで)立ち寄ってきた。そのなかのひとりが羽田さんだった。
「また、こいつか!!」僕はバチバチした目線を彼におくった。
いちおう、僕には美佳さんの週1のエッセーを担当しているという大義名分があったのだ。“青春のマドンナ”をそう簡単に取られてたまるか、という下心があったことも否めない。もちろん、しょせんは高嶺の花と諦めてはいたけどね。
羽田さん、あのころの若くて、自信満々な風貌が思い出されます。国会議員になって当選5回、野田佳彦内閣で国交相として初入閣している。まだまだこれから、というときだけに無念だと思う。
合掌。